夏の熱波に対応し、CO2排出を減らすために、「グリーンカーテン」の利用が奨励されています。これは植物を用いて日差しを遮り、建物内の温度上昇を抑える方法です。家庭菜園でも同じ方法が使え、適切な野菜の育成が可能です。ここで、涼しさをもたらす家庭菜園向けの野菜を紹介します。
自然の遮光器！家庭菜園でグリーンカーテンを作る
家庭菜園には様々な野菜がありますが、特に日陰を作るのに役立つものがあります。これらを使って作るグリーンカーテンは、日差しを避けながら、窓や壁面を覆います。また、バルコニーでネットを使い、植物のツルを絡ませることができます。この方法は、室内の気温上昇を抑え、建物の熱負荷を減らします。さらに、植物の蒸散作用が周囲の気温も下げる効果が期待できます。
日陰を作る野菜の特徴
ツルが利用される野菜
日陰作りには、ツルを活用できる野菜が適しています。特にツル科の野菜は、外壁や窓辺を自然に覆い隠します。これにはキュウリ、ゴーヤ、つるありインゲン、スイカ、メロン、カボチャが含まれます。特に重い果実を持つ植物は、ネットで支えることで安全に育てられます。
葉のサイズが小さい野菜
ツル科であればどれも日陰になりますが、小さい葉を選ぶと風通しが良くなります。大きな葉は重なり合って風を遮ることがありますが、小さな葉を持つ野菜では、風が通り抜けて涼しさを提供します。
日照りに強い野菜
夏の家庭菜園には日照りに強い野菜が最適です。カボチャ、キュウリ、トマト、ナスなどがこの条件に合います。これらは日陰を作る上で非常に有効です。
ゴーヤの特性
ゴーヤは夏の家庭菜園に最適で、日陰を提供することで知られています。暑さに強く、初心者にも育てやすい特性があります。
ゴーヤの育成方法
ゴーヤは暖かい地域の野菜で、植え付けは5月から6月が適しています。プランターでも育つため、適切な水やりと追肥が重要です。
ゴーヤでのグリーンカーテン作り方
ゴーヤを使ったグリーンカーテンは、ネットに適切に絡ませることが重要です。支柱を活用して植物を支え、摘心を行うことで、成長を助けます。ネギ類との混植は成長を促し、害虫のリスクを減らします。
ヘチマ
ヘチマは、ゴーヤと同じウリ科に属し、その日陰効果から多くの家庭菜園愛好者によってグリーンカーテンとして利用されています。
ヘチマの栽培方法
ヘチマは種からも育てられますが、気温が低いと発芽しづらい点に注意が必要です。5月以降に種をまくと、気温が25度以上になるとすぐに発芽することが多いです。プランターでの栽培では、長さ60センチのものに1～2株が適切です。水はゴーヤと同じようにたっぷり与えることが大切で、土が完全に乾いてから再度水やりを行います。追肥は植え付け後15日を過ぎてから、そしてその後は月1で施すと良いでしょう。
ヘチマによるグリーンカーテンの作り方
ヘチマのグリーンカーテンの作り方はゴーヤと似ています。支柱とネットを使って、伸びてきたヘチマのツルをネットに絡ませるだけです。ヘチマの葉は大きく、優れた日陰を提供しますが、風通しはゴーヤほどではありません。ただし、その蒸散作用は涼しさをもたらす効果が期待できます。また、ネギ類との混植で成長を促し、病害虫を防ぐ効果もあります。
パッションフルーツ
ツル性植物であるパッションフルーツは、その果実が甘酸っぱいゼリー質で知られ、グリーンカーテンとしても最適です。
パッションフルーツの育て方
パッションフルーツの種まきは5月から9月が適期で、苗は4～5月に植えるのが理想的です。根がしっかりと広がるため、80センチ以上のプランターに1～2株を植えることをおすすめします。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと行い、毎月1回の肥料は窒素分が豊富なものを選びます。また、伸びすぎたつるは剪定して、他のつるの成長を助けます。
パッションフルーツでグリーンカーテンを作るコツ
パッションフルーツを使った日よけ作りのコツは、つるを毎朝ネットに誘引し、巻きついたらビニタイで固定することです。初めは水平に誘引し、伸びてきたら上向きに誘導します。その後は自然につるが伸びていくように管理します。
ミニカボチャ
ミニカボチャは小さい果実が特徴で、支柱を使って空中栽培が可能です。夏の日陰に最適なつる性一年草です。
ミニカボチャの育て方
大きめのプランターに1株を植えます。温暖な地域では4月中旬以降に植え付けますが、寒冷地では6月に植えることが多いです。種から育てる場合、25～30度の温度を保つことが重要です。結実後に追肥を行い、毎朝の水やりは欠かせません。親づるの葉が5～10枚になったら、摘心を行いましょう。
ミニカボチャでグリーンカーテンを作るコツ
ミニカボチャは、親づると2本の子づるを伸ばしながら、その他のわき芽は除去します。伸びたつるを1週間に1回のペースで支柱に誘引し、ネギとの混植で土壌病害の予防が期待できます。
まとめ
多くの家庭菜園では、夏の強い日差しを自然に遮る野菜が栽培されています。これらはどれも比較的簡単に育てることができ、家庭菜園初心者にも友好的です。
節電効果も期待できるこれらの野菜で、自分だけのグリーンカーテンを作成してみるのはいかがでしょうか。夏の家庭菜園を充実させ、同時に涼しげな環境を実現するための素晴らしい方法です。
